血圧管理と丁寧な患者指導で糖尿病の重症化を防止
糖尿病患者さんの治療継続のためには、医療者による療養指導が大きな役割を果たします。
血圧や血糖値の管理、さらに患者さん一人ひとりと向き合う丁寧な指導を通して健康管理や重症化予防に取り組む川村内科クリニック院長の川村光伸先生に、糖尿病治療と患者指導のポイントについて伺いました。
糖尿病治療における早期介入の重要性
吹き抜けの天井からの明るい光が差し込む、高知県宿毛市の川村内科クリニック。
エントランスや広々とした院内はバリヤフリーに配慮され、車椅子の患者さんが楽に行き来できます。
そして、開放感のある待合ロビーでは患者さんがくつろいだ様子で診察を待っています。
同クリニックは内科、循環器科、リハビリテーション科を標榜し、1997年に開業しました。川村先生の専門は腎臓内科ですが、「開業当時はかかりつけ医として風邪からマイナーサージェリーまで幅広く診ていました。
その後、当院にかかる患者さんは血圧や血糖値のコントロールが良好だと口コミが広がり、徐々に糖尿を丁寧に診てくれるクリニックとして認知されてきました」と話します。
現在では、糖尿病の他、高血圧や高脂血症を伴う腎臓系疾患を中心に、外来維持透析用ベットも有するクリニックとして専門的医療を地域に提供しています。
同クリニックでは看護師4名、看護助手6名、臨床好学技師4名、事務職員3名のスタッフが、先生とともに療養指導やサポートに当たっています。1日の平均患者数は40~50ほど。
患者さんと丁寧にコミニケーションを取りながら定期的に診察することを心掛けており、特別な事情がない限り長期処方は行わない、と言います。その理由として先生は、血圧や血糖値を基に早期治療を行うことと、患者教育の重要性を指摘します。
「食事や運動療法の意欲を維持し続けるのは簡単なことではありません。特に糖尿病は発症早期に適切な治療を行うことが予後に影響しますので、できるだけ短い間隔で定期的に診察し、状況に合わせて指導や処方をきめ細かく変更することが重症化予防のポイントです」